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【図解】BybitからGMOコインへ出金する方法 | トラベルルール適用後、送金方法の注意点を解説
仮想通貨の取引所として人気のBybitとGMOコイン。Bybitは海外の取引所であり、GMOコインは日本国内の取引所です。国際的な規制であるトラベルルール施行後、この二つの取引所の間で仮想通貨を送金することは可能なのでしょうか?
また、送金する際にはどのような注意点があるのでしょうか?この記事では、BybitからGMOコインへ出金する方法とその際の注意点について解説します。
BybitからGMOコインへ送金することは可能か?
BybitからGMOコインへ仮想通貨を送金することは基本的に可能です。
ただし、送金できる仮想通貨は共通して扱っているコイン/トークンに限られます。また、送金する際にはトラベルルールという特別な手続きが必要になります。トラベルルールとは何か、そしてどのような注意点があるかは次項で詳しく説明します。
BybitからGMOコインへ送金する際の注意点
BybitからGMOコインへ仮想通貨を送金する際には、トラベルルールという特別な手続きが必要です。トラベルルールとは、仮想通貨を送金する際に送信者と受信者の個人情報を共有することを義務付けた規則で、国際基準で決まったルールです。
ガラパゴス化と勘違いしている人がいますが、国際基準デス
この規則は、マネーロンダリングやテロ資金供与などの犯罪行為を防止するために国際的な機関が策定したものであり、日本国内では2023年5月末から対応が開始されました。それにより、我々ユーザーにとっては、送金する際に入力する項目が増え、着金までの待ち時間も増えてしまい、仮想通貨に期待する将来的利便性に一抹の不安を覚えるような状況になっています。
トラベルルールとは、「利用者の依頼を受けて暗号資産の送付を行う暗号資産交換業者は、
引用元:JVCEA(一般社団法人日本暗号資産取引業協会)
送付依頼人と受取人に関する一定の事項を、送付先となる受取人側の暗号資産交換業者に
通知しなければならない」というルールです。
このルールは、FATF(金融活動作業部会)が、マネーロンダリング及びテロ資金供与対策
についての国際基準(FATF 基準)において、各国の規制当局に対して導入を求めているも
のです。
トラベルルールを遵守するためには、以下の手順を踏む必要があります。
BybitからGMOコインへ送金する手順
Bybitで出金申請をする前に、GMOコインで受け取り用のウォレットアドレスを発行します。
ここまでは従来通りのフローにつき、ディテールは省略します。
ここからの検証フローが追加されました。我々ユーザーはGMOコインの審査を受けるために必要情報の入力を求められます。
暗号資産預入・送付の「未反映リスト」にも必要情報を入力し審査に通らないと入金が反映されない旨の記載があります。
STEP3またはSTEP4の「確認」ボタンから送付元情報の登録作業を行います。
送付元ウォレットが取引所指定のウォレットなのか、MetaMaskなどのプライベートウォレットなのかを選択します。本記事ではBybitからの送付のため、「取引所・サービス指定のウォレット」を指定します。
プライベートウォレットは本人からの送付であることが明白ですが、取引所・サービス指定のウォレットだと本人以外からの送付の可能性がないか確認されます。
自分の口座間の送付の場合、必ず「ご本人さま」を選択します。
ここで誤って「ご本人さま以外」を選択すると、いつまで経っても承認されないので注意が必要です。
もし「ご本人さま以外」を選択してしまうと「Bybit運営者からの送付」であることとなり、Bybitはトラベルルールに基づいて、送信者の氏名、住所、生年月日、電話番号などの個人情報をGMOコインに送信しなくてはならなくなります。
現在、Bybit運営者側が顧客資産を他の取引所に送金するような事は一切ないため、利用している情報は送付先アドレスのみとなります。
なるほど。BybitとGMOコインの間で個人情報のやり取りがある訳ないものね。
実は筆者は、このミスをしたために数日間処理を待ち、GMOコインのカスタマーサービス担当者から電話による確認が入り、訂正してもらうことで、ようやく口座への反映に至ったのです。
登録済みの名前、住所、生年月日で間違いないか確認が入ります。
私の場合、預入目的は「暗号資産の売買・交換」のみです。そして送付先の名称はプルダウン形式のホワイトリストにない海外取引所のため、「その他」を選択します。
その他を選択すると新たな入力フィールドが出現するので、「Bybit」と入力します。
以下の3つの項目に間違いないかチェックして登録します。
- 登録情報に誤りがないことを確認しました
- 今回の送付が外為法に基づく許可・承認・届出を要する取引に該当しないことを確認しました
- 送付人や実質的支配者は北朝鮮居住者ではないことを確認しました
ようやく登録完了しました。口座への反映を待つのみです。
初回登録は時間が掛かります。気長に待ちましょう。2回目以降も繰り返し登録が必要になりますが、反映までの時間は短縮されます。
以上がBybitからGMOコインへ仮想通貨を送金する際の注意点と手順です。
トラベルルールは一見面倒な手続きに見えるかもしれませんが、仮想通貨の安全性と透明性を高めるために必要な規則です。トラベルルールに従って正しく送金することで、仮想通貨の取引所間での信頼関係を築くことができます。
BybitからGMOコインへ:トラベルルールは誰が決めたか?
トラベルルールという規則は、誰が決めたものなのでしょうか?
実は、トラベルルールは国際的な機関である金融活動作業部会(FATF)が策定したものです。FATFとは、マネーロンダリングやテロ資金供与などの犯罪行為を防止するために1989年に設立された組織であり、日本を含む39カ国や地域が加盟しています。FATFは2019年6月に仮想通貨に関する勧告を発表し、その中でトラベルルールを導入することを各国に求めました。この勧告は法的拘束力はありませんが、加盟国はそれに従うことが期待されています。
BybitからGMOコインへ:日本国内のトラベルルールの動きについて
日本では2022年4月1日からトラベルルールが施行されました。
これは金融庁が2020年5月に改正した資金決済法に基づくものです。資金決済法とは、電子マネーや仮想通貨などの新しい決済手段に関する法律です。この法律は2009年に制定され、2016年と2020年に改正されました。
資金決済法では、仮想通貨の取引所やウォレットサービスなどの事業者に対して、登録制度や内部管理体制の整備、顧客の本人確認や資産の保全などの義務を課しています。また、資金決済法では、仮想通貨を「暗号資産」と呼ぶことになっています。
BybitからGMOコインへ:トラベルルールに違反するとどうなりますか?
トラベルルールに違反すると、どのようなリスクがあるのでしょうか?
まず、トラベルルールは資金決済法の一部であり、法律に違反することは犯罪行為となります。したがって、トラベルルールに従わない場合は、罰金や懲役などの刑事罰を受ける可能性があります。
また、トラベルルールに従わない場合は、仮想通貨の送金が拒否されたり遅延したりすることもあります。
さらに、トラベルルールに従わない場合は、仮想通貨の取引所やウォレットサービスからアカウントを凍結されたり解約されたりすることもあります。これらのリスクを避けるためには、トラベルルールに沿って正しく送金することが重要です。
BybitからGMOコインへ:トラベルルールは他の国でも適用されていますか?
トラベルルールは日本だけでなく、他の国でも適用されていますか?
答えはイエスです。FATFの勧告に従って、多くの国がトラベルルールを導入しています。例えば、アメリカでは2020年10月からトラベルルールが施行されており、仮想通貨の送金額が3000ドル以上の場合は個人情報の交換が必要です。
また、欧州連合(EU)では2020年1月から第5次マネーロンダリング指令(5AMLD)が施行されており、仮想通貨の取引所やウォレットサービスに対してトラベルルールを準拠することが求められています。さらに、シンガポールや韓国などのアジア諸国でもトラベルルールを導入しています。
以上がBybitからGMOコインへ仮想通貨を送金する際の注意点と手順です。
トラベルルールは仮想通貨の世界で広く普及している規則であり、今後もさらに発展していくと思われます。
トラベルルールは仮想通貨の安全性と透明性を高めるために必要な規則ですが、一方で仮想通貨の利便性やプライバシーにも影響を与える可能性があります。トラベルルールによって、仮想通貨の送金にかかる時間や手数料が増えたり、個人情報が漏洩したりするリスクが高まったりすることも考えられます。そのため、トラベルルールに対しては、賛成派と反対派の意見が分かれています。
BybitからGMOコインへ:トラベルルールの賛成派と反対派の声
トラベルルールの賛成派と反対派の主張は何でしょうか?
賛成派は、トラベルルールが仮想通貨の犯罪利用を防ぎ、規制当局や金融機関との信頼関係を築き、仮想通貨の社会的な受容度を高めることにつながると主張しています。また、賛成派は、トラベルルールが仮想通貨の送金における顧客保護や消費者教育を促進することにも貢献すると主張しています。
一方、反対派は、トラベルルールが仮想通貨の本質である分散化や自由化に反すると主張しています。また、反対派は、トラベルルールが仮想通貨の送金におけるプライバシーやイノベーションを損なうことにも懸念を示しています。
BybitからGMOコインへ:トラベルルールに対応する技術的なソリューションはありますか?
トラベルルールに対応する技術的なソリューションはありますか?
答えはイエスです。トラベルルールに適合するために、仮想通貨の取引所やウォレットサービスなどの事業者は、個人情報の交換や検証を効率的かつ安全に行うことが求められています。そのため、多くの事業者は、トラベルルールに対応する技術的なソリューションを開発したり導入したりしています。
例えば、Travel Rule Protocol(TRP)やTravel Rule Information Sharing Alliance(TRISA)などのプロジェクトがあります。これらのプロジェクトは、仮想通貨の送金時に必要な個人情報を暗号化したり検証したりすることで、トラベルルールを満たしながらもプライバシーを保護することを目指しています。
BybitからGMOコインへ:まとめ
BybitからGMOコインへ仮想通貨を送金する際には、以下の点に注意してください。
- トラベルルールは資金決済法の一部であり、法律に違反すると刑事罰を受ける可能性があります。
- トラベルルールは日本だけでなく、他の国でも適用されています。
- トラベルルールは仮想通貨の安全性と透明性を高めるために必要な規則ですが、一方で仮想通貨の利便性やプライバシーにも影響を与える可能性があります。
- トラベルルールに対応する技術的なソリューションが開発されていますが、まだ完全ではありません。
- トラベルルールに関する最新の情報や動向を常にチェックすることが重要です。
- トラベルルールに関する疑問や不安がある場合は、専門家や法律家に相談することがおすすめです。
以上でBybitからGMOコインへ仮想通貨を送金する方法の説明を終わります。ご参考になれば幸いです。
今回は、BybitからGMOコインへの送付について採り上げましたが、状況が変わる可能性があるため、必ずご自身で最新情報をご確認ください。