仮想通貨トレード講座【基礎編1】トレードの時間軸とトレードスタイルの関係とは？

トレードには様々な方法があります。その方法を決める要素の一つが、トレードの時間軸です。トレードの時間軸とは、一回の取引にかける時間の長さのことです。

トレードの時間軸によって、トレードスタイルと呼ばれる分類ができます。トレードスタイルとは、トレーダーの性格や目的に合わせたトレード方法のことです。

トレードスタイルの種類

トレードスタイルは、主に以下の4つに分けられます。

スキャルピング

数秒から数分で取引を終える短期売買です。小さな値動きを狙って多くの取引を行います。高い集中力と判断力が必要です。

デイトレード

1日以内で取引を終える短期売買です。日中の値動きを狙って取引を行います。市場の動向やニュースに敏感である必要があります。

スイングトレード

数日から数週間で取引を終える中期売買です。中期的な値動きを狙って取引を行います。相場の流れやトレンドに従う必要があります。

ポジショントレード

数ヶ月から数年で取引を終える長期売買です。中長期運用ともいい、中長期的な値動きを狙って取引を行います。基本的な分析や戦略が必要です。

トレードスタイル別に使うべき時間足

時間足とは、チャート上で1本のローソク足が表す時間のことです。例えば、5分足なら1本のローソク足が5分間の値動きを示します。時間足は、トレードスタイルによって使い分けるべきです。一般的には、以下のような時間足がおすすめです。

トレードスタイル	使うべき時間足
スキャルピング	1分足 : 5分足 : 15分足
デイトレード	5分足 : 15分足 : 1時間足
スイングトレード	15分足 : 1時間足 : 4時間足
ポジショントレード	4時間足 : 日足 : 週足

例えば５分足と４時間足のチャートを並べて比べてみると、以下の画像のように目線が変わってきます。

マルチタイムフレーム分析のやり方

マルチタイムフレーム分析（MTF分析）とは、3つの時間足を組み合わせてトレードする手法です。大きな時間足で相場全体の流れやトレンドを把握し、中間の時間足でエントリーやエグジットのタイミングを探し、小さな時間足で細かな値動きを確認するという方法です。マルチタイムフレーム分析のやり方は、以下のようになります。

• 大きな時間足で相場の状況を分析する。トレンドがあるかどうか、サポートやレジスタンスの位置はどこか、重要なニュースやイベントがあるかどうかなどをチェックする。
• 中間の時間足でエントリーやエグジットのポイントを探す。トレンドに沿った方向に取引することが基本である。トレンドラインや移動平均線などのテクニカル指標を使って、相場の勢いや反転のサインを見つける。
• 小さな時間足で細かな値動きを確認する。中間の時間足で見つけたポイントに近づいたら、小さな時間足で入りやすいタイミングや利益確定や損切りのタイミングを決める。スプレッドやスリッページに注意する。

このように、3つの時間足を組み合わせて使うことで、マルチタイムフレーム分析という手法ができます。このMTFに関しては、後日くわしく解説する予定です。

トレードスタイルに合わせた時間軸の選び方

トレードスタイルに合わせた時間軸を選ぶことは、トレードの成功にとって重要です。自分に合った時間軸を選ぶことで、ストレスや損失を減らし、利益率や勝率を高めることができます。トレードスタイルに合った時間軸を選ぶ方法は、以下のようになります。

• 自分の性格や目的を知る。自分はどれくらいのリスクや利益を求めているか、どれくらいの時間や資金をトレードに使えるか、どれくらいの集中力や判断力があるかなどを考える。
• 自分に適したトレードスタイルを見つける。自分の性格や目的に合ったトレードスタイルは何かを探す。例えば、短期的な利益を求めていて、高い集中力と判断力がある人はスキャルピングが向いているかもしれない。
• トレードスタイルに合わせた時間足を選ぶ。自分が選んだトレードスタイルに合わせて、大きな時間足、中間の時間足、小さな時間足の組み合わせを決める。例えば、スキャルピングをする人は1分足 : 5分足 : 15分足を使うと良いかもしれない。

トレードスタイル毎のおすすめ分析手法

それぞれのトレードスタイルに最適なインジケーターと分析手法をみてみましょう。以下のようなものがあります。

スキャルピング

短期的な値動きを捉えるために、ボリンジャーバンドやストキャスティクスなどのボラティリティやオシレーター系のインジケーターを使うことが多いです。また、ローソク足やチャートパターンなどの基本的な分析手法も重要です。

デイトレード

一日の中でトレンドや反転を見つけるために、移動平均線やMACDなどのトレンド系のインジケーターを使うことが多いです。また、ファイボナッチやピボットポイントなどの水平線や斜め線を引く分析手法も有効です。

スイングトレード

数日から数週間のトレンドに乗るために、パラボリックSARやADXなどのトレンド強度や方向性を示すインジケーターを使うことが多いです。また、エリオット波動やダウ理論などの波動分析や相場心理分析も役立ちます。

ポジショントレード

数週間から数ヶ月のトレンドに従うために、RSIやCCIなどのオーバーボートやオーバーソールドを示すインジケーターを使うことが多いです。また、ファンダメンタルズ分析や経済指標などのマクロ的な要因も考慮する必要があります。

トレードスタイル別オンチェーンデータ活用

オンチェーンデータとは、ブロックチェーンに保存されるトランザクションデータを集計したものです。オンチェーンデータを分析することで、市場動向や仮想通貨のファンダメンタルズを探ることができます。

トレードスタイル毎にオンチェーンデータをどのように活用すべきかは、以下のような方法があります。

スキャルピング

オンチェーンデータは長期的なトレンドや相場心理を反映するものなので、スキャルピングにはあまり適していません。スキャルピングでは、テクニカル分析やニュースなどの短期的な要因に注目する方が良いでしょう。

デイトレード

オンチェーンデータは一日の中で大きく変化するものではありませんが、一部の指標はデイトレードに役立つ可能性があります。例えば、取引所への流入量やネットワーク手数料などは、売買圧や取引活発度を示すものなので、価格変動のタイミングや方向性を予測するのに使えるかもしれません。

スイングトレード

オンチェーンデータはスイングトレードに適した分析手法です。数日から数週間のトレンドに乗るためには、アドレス数やハッシュレートなどの基本的な指標から、NVT比率やSOPRなどの高度な指標まで、様々なオンチェーンデータを参考にすることができます。これらの指標は、仮想通貨の需要や供給、価値や利益、強気や弱気などを示すものなので、トレンド転換や継続のサインとして使えるでしょう。

ポジショントレード

オンチェーンデータは中長期運用にも有効です。数週間から数ヶ月のトレンドに従うためには、HODLウェーブやストック・トゥ・フロー比率などの長期的な指標を見ることができます。これらの指標は、仮想通貨の保有期間や希少性などを示すものなので、将来的な価格上昇や下落の可能性を評価するのに使えるでしょう。

オンチェーンデータの信頼性

オンチェーンデータの信頼性は、オンチェーンに保存されるデータの特徴によって決まります。

オンチェーンには不変性、信頼性、安全性、効率性、透明性があります。これらの特徴は、ブロックチェーンの仕組みによって保証されています。ブロックチェーンは、分散型のネットワークであり、各ノードが同じデータを共有しています。また、ブロックチェーンに記録されたデータは、暗号化やコンセンサスアルゴリズムによって改ざんや偽造が困難です。さらに、ブロックチェーンに記録されたデータは、誰でも閲覧できる公開情報です。
以上のことから、オンチェーンデータは非常に高い信頼性を持つと言えます。しかし、オンチェーンデータを分析する際には、以下のような注意点もあります。

オンチェーンデータは過去の事実

オンチェーンデータは過去の事実を示すものであり、未来の予測を示すものではありません。オンチェーンデータを分析することで、市場動向や仮想通貨のファンダメンタルズを探ることができますが、それだけでは価格変動を完全に予測することはできません。オンチェーンデータ以外にも、テクニカル分析やニュースなどの要因も考慮する必要があります。

オンチェーンデータは多様で複雑

オンチェーンデータは多様で複雑なものです。オンチェーンデータには様々な指標がありますが、それぞれに定義や計算方法が異なります。また、同じ指標でも異なるソースやプラットフォームで取得した場合に結果が異なることもあります。オンチェーンデータを分析する際には、指標の意味や信頼性を正しく理解し、複数のソースやプラットフォームを比較することが重要です。

オンチェーンデータの入手先

オンチェーンデータの入手方法は、主に以下の2つがあります。

ブロックエクスプローラー

ブロックエクスプローラーを利用する方法。ブロックエクスプローラーとは、ブロックチェーンに記録されたデータを検索や閲覧できるサイトやアプリのことです。ブロックエクスプローラーでは、ハッシュレートやトランザクションデータなどの基本的なオンチェーンデータにアクセスできます。ブロックエクスプローラーは、ブロックチェーンごとに異なります。例えば、ビットコインのブロックエクスプローラーには、Blockchain.comやBlockchairなどがあります。

オンチェーン分析ツール

オンチェーン分析ツールを利用する方法。オンチェーン分析ツールとは、オンチェーンデータを集計やグラフ化して、より高度な分析ができるようにしたサイトやアプリのことです。オンチェーン分析ツールでは、アドレスやトランザクションのラベル付けや分類、ウォレットやプロジェクトの動向や戦略、市場や投資家のセンチメントなどのオンチェーンデータにアクセスできます。オンチェーン分析ツールは、多くの場合有料です。例えば、NansenやGlassnodeなどがあります。

。オンチェーンデータを入手する際には、自分の目的やニーズに合わせて適切な方法を選択することが重要です。

オンチェーンデータの入手は、coinglassでも問題ないですか？

coinglassは、暗号資産デリバティブのデータ分析やトレンドの確認ができるサイトです。オンチェーンデータの一部を提供していますが、ブロックエクスプローラーやオンチェーン分析ツールと比べると、データの種類や量は限られています。例えば、coinglassでは、ビットコインの清算や資金調達率などのデータを見ることができますが、ハッシュレートやトランザクション数などの基本的なデータや、アドレスやトランザクションのラベル付けや分類などの高度なデータは見ることができません。

したがって、coinglassでオンチェーンデータを入手することは可能ですが、問題ないかどうかは、あなたの目的やニーズによって異なります。もし、暗号資産デリバティブのトレードに関するデータを見たい場合は、coinglassで十分かもしれません。しかし、もし、ブロックチェーンに記録されたデータをより詳細に分析したい場合は、coinglassでは不十分かもしれません。

まとめ

トレードの時間軸とは、一回の取引にかける時間の長さのことです。トレードの時間軸によって、トレードスタイルと呼ばれる分類ができます。

トレードスタイルは、スキャルピング、デイトレード、スイングトレード、中長期運用の4つに分けられます。トレードスタイルに合わせて、時間足を使い分けることが重要です。

時間足を使い分ける方法として、マルチタイムフレーム分析という手法があります。マルチタイムフレーム分析とは、大きな時間足で相場全体の流れやトレンドを把握し、中間の時間足でエントリーやエグジットのタイミングを探し、小さな時間足で細かな値動きを確認するという方法です。

トレードスタイルに合わせた時間軸を選ぶ方法として、自分の性格や目的を知り、自分に適したトレードスタイルを見つけ、トレードスタイルに合わせた時間足の組み合わせを決めるという方法があります。

インフルエンサーである敏腕トレーダーは勝ってそうなのに、一生懸命フォローしてる自分は一向に勝てないという人は、そのトレーダーのトレードスタイルを把握し、目線を合わせることから始めましょう。

次回予告

次回は、トレードで資産を増やすために重要な「資金管理」について書こうと思います。お楽しみに。