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ウィッシュトレードとは?仮想通貨市場での水増し取引の実態と対策
仮想通貨市場は、規制が緩いこともあり、様々な問題が発生しています。その中の一つが、ウィッシュトレードと呼ばれる水増し取引です。ウィッシュトレードとは、同じ人やグループが自分自身に売買を行うことで、取引量や価格を操作する不正な行為です。
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この記事では、ウィッシュトレードの定義や目的、実例や問題点、そしてウィッシュトレードに巻き込まれないための対策について解説します。
ウィッシュトレードの定義と目的
ウィッシュトレードとは、英語でwash tradeと呼ばれる取引方法です。washとは洗うという意味ですが、ここでは取引履歴を洗って消すという意味合いがあります。ウィッシュトレードでは、同じ人やグループが複数のアカウントやウォレットを使って、自分自身に売買を行います。このようにすることで、取引量や価格を操作することができます。
ウィッシュトレードの目的は主に以下の二つです。
- 取引量を水増しして人気や需要を偽装する
- 価格を吊り上げて利益を得る
例えば、ある仮想通貨の取引所で、Aさんが自分自身に売買を繰り返すことで、その仮想通貨の取引量を増やします。すると、他のユーザーはその仮想通貨に注目し始めます。Aさんはその仮想通貨の価格を高く設定しておきます。すると、他のユーザーはその仮想通貨が価値があると思って購入しようとします。Aさんはその仮想通貨を高値で売り抜けて利益を得ます。
このように、ウィッシュトレードは市場に誤った情報を与えて、他のユーザーの行動を誘導することで利益を得る不正な行為です。
ウィッシュトレードの実例と問題点
ウィッシュトレードは仮想通貨市場だけでなく、伝統的な金融市場でも発生しています。しかし、金融市場では規制や監視が厳しく、ウィッシュトレードは違法とされています。一方、仮想通貨市場では規制や監視が緩く、ウィッシュトレードが横行しています。
仮想通貨市場でのウィッシュトレードの実例としては以下のようなものがあります。
- 2021年10月23日、CryptoPunk 9998が12万4457ETH(約5億3200万ドル)で取引された。しかし、これは同じ人がフラッシュローン(即時返済型の借金)を使って自分自身に売買したものだった。
- 2019年3月にビットワイズ・アセット・マネジメントが発表した報告書によると、仮想通貨取引所の95%はウォッシュトレードを行っており、取引量は実際よりも大幅に水増しされていた。
ウィッシュトレードには以下のような問題点があります。
- 市場の透明性や信頼性を損なう
- 他のユーザーの損失や被害を招く
- 価格の変動やバブルの発生を引き起こす
ウィッシュトレードは市場に誤った情報を与えることで、市場の透明性や信頼性を損ないます。市場に参加するユーザーは、取引量や価格が本当に需要と供給によって決まっているのか、それとも操作されているのかを判断できなくなります。また、ウィッシュトレードによって価格が吊り上げられた仮想通貨を購入したユーザーは、その後の価格下落によって損失や被害を受ける可能性があります。さらに、ウィッシュトレードは価格の変動やバブルの発生を引き起こすことで、市場の安定性や健全性を損ねます。
ウィッシュトレードに巻き込まれないための対策
ウィッシュトレードは検出するのが難しいこともあり、完全に防ぐことはできません。しかし、以下のような対策を取ることで、ウィッシュトレードに巻き込まれないためのリスクを減らすことができます。
- 信頼できる仮想通貨取引所を選ぶ
- 取引量や価格だけでなく、他の指標も参考にする
- 自分の判断で仮想通貨を選ぶ
信頼できる仮想通貨取引所を選ぶことは、ウィッシュトレードに巻き込まれないための基本です。信頼できる仮想通貨取引所とは、規制や監視が厳しく、ウォッシュトレードを行わないか、行われた場合に迅速に対処する取引所です。例えば、日本では金融庁が仮想通貨交換業者に登録制度を設けており、登録された取引所は金融庁から監督されています。また、海外ではバイナンスやビットフィネックスなどが信頼できる取引所として知られています。
取引量や価格だけでなく、他の指標も参考にすることも重要です。取引量や価格はウォッシュトレードによって操作されやすい指標ですが、他の指標は操作されにくいものもあります。例えば、ソーシャルメディアやニュースでの言及数や注目度、開発者やコミュニティの活動度や規模、技術的な革新性や実用性などです。これらの指標を総合的に判断することで、仮想通貨の本当の価値や将来性を見極めることができます。
自分の判断で仮想通貨を選ぶこことも大切です。仮想通貨市場は流行や話題に左右されやすい市場ですが、それに惑わされずに自分の目で仮想通貨を選ぶことが必要です。自分の目で仮想通貨を選ぶためには、仮想通貨の基本的な知識や最新の情報を常に学ぶことが重要です。また、自分の投資目的やリスク許容度に合わせて、仮想通貨を選ぶことも忘れないでください。
まとめ
ウィッシュトレードとは、同じ人やグループが自分自身に売買を行うことで、取引量や価格を操作する不正な行為です。ウィッシュトレードは市場の透明性や信頼性を損ない、他のユーザーの損失や被害を招く可能性があります。ウィッシュトレードに巻き込まれないためには、信頼できる仮想通貨取引所を選ぶことや、取引量や価格だけでなく、他の指標も参考にすること、自分の判断で仮想通貨を選ぶことなどが重要です。ウィッシュトレードは仮想通貨市場の健全性や発展にとって大きな障害ですが、ユーザー一人一人が正しい知識や判断を持って市場に参加することで、ウィッシュトレードの撲滅に貢献できると信じています。