ユニバーサル・ベーシックインカムとは?メリット・デメリット・実現の可能性を徹底解説

ユニバーサル・ベーシックインカムとは?

ブロックチェーン技術や仮想通貨プロジェクトが掲げる未来と近しいポジションにあるベーシックインカムという概念ですが、どうにか実現して欲しいものです。

だって、人生の大半の時間を会社オフィスに捧げているのは、単なる手段であり目的ではないのです。人生はもっと豊かに過ごすべきもの。

OpenAIのサム氏が立ち上げたWorldcoin(ワールドコイン)の理念になっているので、あらためてこの概念について理解を深めたいと思います。

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ユニバーサル・ベーシックインカムとは?

ユニバーサル・ベーシックインカムという言葉を聞いたことはありませんか?これは、国がすべての国民に対して、最低限の生活を送るのに必要な所得を無条件で支給する制度のことです。英語ではUniversal Basic Income(UBI)と呼ばれます。

ユニバーサル・ベーシックインカムは、生活保護や失業保険などの従来の福祉制度とは異なります。生活保護や失業保険は、貧困や失業などの困窮状態にある人に対して、一定の条件を満たした場合に限って支給されるものです。しかし、ユニバーサル・ベーシックインカムは、年齢や性別、職業や収入、配偶者の有無などに関係なく、すべての国民に平等に支給されるものです。

ユニバーサル・ベーシックインカムは、単なる福祉政策ではありません。経済政策や社会政策としても注目されています。では、具体的にどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?また、日本で実現する可能性はあるのでしょうか?この記事では、ユニバーサル・ベーシックインカムについて徹底解説します。

ユニバーサル・ベーシックインカムのメリット

ユニバーサル・ベーシックインカムには、さまざまなメリットが期待されています。ここでは、主なものを以下のように分類して紹介します。

貧困対策と社会的包摂

ユニバーサル・ベーシックインカムは、すべての国民に最低限の所得を保障することで、貧困や格差を緩和する効果があります。特に、非正規雇用やフリーランスなど安定した収入が得られない人々や、子育てや介護などで働くことが困難な人々にとっては、大きな支援となります。

また、ユニバーサル・ベーシックインカムは、生活保護や失業保険などの従来の福祉制度と違って無条件であるため、受給者に対する差別や偏見を減らすことができます。生活保護や失業保険は、受給者が「働かざる者」や「社会的弱者」と見られがちですが、ユニバーサル・ベーシックインカムは、「国民全員が受け取る権利」という観点から見られます。これにより、社会的包摂(社会参加)が促進される可能性があります。

働き方改革と創造性

ユニバーサル・ベーシックインカムは、最低限の所得が保障されることで、働くことの意味や目的を変えることができます。現在の社会では、多くの人々が「生きるために働く」という発想を持っています。しかし、ユニバーサル・ベーシックインカムがあれば、「働くために生きる」ではなく、「生きるために働く」ことができます。

つまり、ユニバーサル・ベーシックインカムは、人々に「本当にやりたいこと」や「社会に貢献できること」を選択する自由を与えます。これにより、労働環境の改善や労働時間の短縮、起業や転職の促進、芸術やボランティアなどの創造的な活動の増加などが期待されます。

経済成長と消費拡大

ユニバーサル・ベーシックインカムは、すべての国民に一定額の所得を配当することで、消費力を高める効果があります。特に、低所得層や中間層にとっては、生活必需品や教育費などの支出に充てられるだけでなく、余裕ができれば娯楽や旅行などの支出も増える可能性があります。

また、ユニバーサル・ベーシックインカムは、起業や転職などのリスクを低減することで、イノベーションや新規事業の創出を促進する効果もあります。これにより、経済成長や雇用創出にも寄与する可能性があります。

ユニバーサル・ベーシックインカムのデメリット

一方で、ユニバーサル・ベーシックインカムには、さまざまなデメリットも指摘されています。ここでは、主なものを以下のように分類して紹介します。

財源確保と増税

ユニバーサル・ベーシックインカムを実現するためには、巨額の財源が必要です。例えば、日本で月額10万円をすべての国民(約1億2600万人)に支給する場合、年間で約151兆円(国家予算の約3分の1)が必要となります。これは、現在の税収(約60兆円)では到底賄えません。

そのため、ユニバーサル・ベーシックインカムを導入する場合は、増税や社会保障制度の見直しなどが不可避です。特に、高所得者や富裕層からの課税強化や資産税導入などが検討される可能性が高いです。しかし、これらの措置は、所得格差を拡大したり、資本逃避を引き起こしたりするリスクもあります。

労働意欲と生産性

ユニバーサル・ベーシックインカムは、最低限の所得が保障されることで、労働意欲や生産性を低下させる可能性があります。特に、低所得層や中間層にとっては、ユニバーサル・ベーシックインカムの額が十分な生活水準を確保できる場合、仕事を辞めたり、努力を怠ったりする人も出てくるかもしれません。

また、ユニバーサル・ベーシックインカムは、所得に関係なく支給されるため、労働の対価としての所得の機能が弱まる可能性があります。これにより、労働の動機付けや報酬設計が難しくなったり、労働市場の流動性や柔軟性が低下したりするリスクもあります。

価値観と社会的正義

ユニバーサル・ベーシックインカムは、社会全体の価値観や社会的正義に影響を与える可能性があります。特に、ユニバーサル・ベーシックインカムは、「働くこと」や「稼ぐこと」に対する評価や尊重を変えることができます。これは、一方では、「働くこと」や「稼ぐこと」に囚われない自由な生き方を可能にすることで、多様性や創造性を高める効果があると言えます。

しかし、他方では、「働くこと」や「稼ぐこと」に対する評価や尊重が低下することで、社会的な責任感や義務感を失う人も出てくるかもしれません。また、ユニバーサル・ベーシックインカムは、「国民全員が受け取る権利」という観点から見られますが、「国民全員が負う義務」という観点から見られる場合もあります。つまり、ユニバーサル・ベーシックインカムを受け取ることに対して、何らかの見返りや貢献を求められる可能性もあります。

ユニバーサル・ベーシックインカムの実現の可能性

ユニバーサル・ベーシックインカムは、理論的には魅力的な制度ですが、実際に導入するにはさまざまな課題や障壁があります。ここでは、世界各国で行われているユニバーサル・ベーシックインカムの試みや日本での実現の可能性について紹介します。

世界各国で行われているユニバーサル・ベーシックインカムの試み

世界各国で行われているユニバーサル・ベーシックインカムの試みは、以下のように分類できます。

フルスケールのユニバーサル・ベーシックインカム

フルスケールのユニバーサル・ベーシックインカムとは、すべての国民に対して無条件で一定額の現金を支給する制度です。これは、ユニバーサル・ベーシックインカムの理想型と言えますが、現在のところ、実際に導入している国はありません。ただし、近い例として、アラスカ州のパーマネント・ファンド・ディビデンド(Permanent Fund Dividend)が挙げられます。これは、アラスカ州が石油資源から得た収益を投資して運用し、その利益を州民に対して年1回配当する制度です。1982年から始まり、2019年には約30万人の州民に対して約10万円が支給されました。

パーシャル・ベーシックインカム

パーシャル・ベーシックインカムとは、すべての国民に対して無条件で現金を支給する制度ですが、支給額が最低生活費を下回る場合です。これは、フルスケールのユニバーサル・ベーシックインカムよりも財源確保が容易であるため、実験的に導入されることが多いです。例えば、イランでは2010年から2016年まで、石油収入をもとに月額約1万円を全国民に支給する制度が実施されました。また、インドでは2011年から2012年にかけて、月額約3000円を村民に支給する実験が行われました。

ネガティブ・インカムタックス

ネガティブ・インカムタックスとは、所得が一定額以下の人に対して税金ではなく補助金を支給する制度です。これは、所得税制度と統合された形のユニバーサル・ベーシックインカムと言えます。例えば、所得が0円の人に対して月額10万円を支給し、所得が増えるごとに支給額を減らし、所得が20万円以上になったら税金を徴収するという仕組みです。この制度は、アメリカやイギリスなどで実験的に導入されたことがあります。

条件付き現金給付

条件付き現金給付とは、貧困層や特定の層に対して一定の条件を満たした場合に限って現金を支給する制度です。これは、無条件ではないため厳密にはユニバーサル・ベーシックインカムではありませんが、貧困対策や教育促進などの目的で広く実施されています。例えば、ブラジルでは2003年から「ボルサ・ファミリア」という制度があります。これは、低所得の家庭に対して、子どもが学校に通うなどの条件を満たした場合に月額約3000円を支給する制度です。

日本でのユニバーサル・ベーシックインカムの実現の可能性

日本でユニバーサル・ベーシックインカムを導入する場合、どのような課題や障壁があるでしょうか?ここでは、主なものを以下のように分類して紹介します。

財源確保と社会保障制度の見直し

日本でユニバーサル・ベーシックインカムを導入するためには、前述したように巨額の財源が必要です。しかし、日本は高齢化や少子化によって社会保障費が増大し、国家財政が悪化しています。そのため、ユニバーサル・ベーシックインカムを導入するためには、増税や社会保障制度の見直しなどが不可避です。

しかし、これらの措置は、国民の反発や抵抗を招く可能性が高いです。特に、社会保障制度の見直しは、現在受給している人々や将来受給する予定の人々にとっては不利益となる場合が多いです。また、社会保障制度は、長年にわたって積み上げられてきた社会的な信頼や契約に基づいています。そのため、ユニバーサル・ベーシックインカムに切り替えることは、社会的なコストやリスクが大きいと言えます。

労働観と生産性

日本でユニバーサル・ベーシックインカムを導入するためには、労働観や生産性に関する課題や障壁もあります。日本は、「働くこと」や「稼ぐこと」に対する評価や尊重が高い社会です。そのため、ユニバーサル・ベーシックインカムがあれば、「働くこと」や「稼ぐこと」に対する評価や尊重が低下することで、労働意欲や生産性が低下する可能性があります。

また、日本は、「働くこと」や「稼ぐこと」以外の活動に対する評価や尊重が低い社会でもあります。そのため、ユニバーサル・ベーシックインカムがあれば、「働くこと」や「稼ぐこと」以外の活動に対する評価や尊重が高まることで、多様性や創造性が高まる可能性もあります。

しかし、これらの価値観や文化は、簡単に変えることができるものではありません。そのため、ユニバーサル・ベーシックインカムを導入するためには、教育やメディアなどあらゆるセクターの努力が必要です。

政治的な意思決定と国民的な合意

日本でユニバーサル・ベーシックインカムを導入するためには、政治的な意思決定と国民的な合意も必要です。しかし、これらも容易ではありません。特に、日本では政治的なリーダーシップやビジョンが不足していると言われています。そのため、ユニバーサル・ベーシックインカムを推進する政治家や政党が現れる可能性は低いです。

また、日本では国民の意識や関心が低いと言われています。そのため、ユニバーサル・ベーシックインカムに対する理解や支持が広がる可能性も低いです。さらに、日本では社会的な対立や対話が少ないと言われています。そのため、ユニバーサル・ベーシックインカムに関する議論や合意形成が進む可能性も低いです。

まとめ

ユニバーサル・ベーシックインカムとは、国がすべての国民に対して、最低限の生活を送るのに必要な所得を無条件で支給する制度のことです。この制度には、貧困対策や社会的包摂、働き方改革や創造性、経済成長や消費拡大などのメリットが期待されています。しかし、財源確保や増税、労働意欲や生産性、価値観や社会的正義などのデメリットも指摘されています。

世界各国で行われているユニバーサル・ベーシックインカムの試みは、フルスケールのユニバーサル・ベーシックインカム、パーシャル・ベーシックインカム、ニガティブ・インカムタックス、条件付き現金給付などの形態があります。日本でユニバーサル・ベーシックインカムを導入する場合は、財源確保や社会保障制度の見直し、労働観や生産性、政治的な意思決定や国民的な合意などの課題や障壁があります。

ユニバーサル・ベーシックインカムは、現代社会における重要なテーマの一つです。この記事では、ユニバーサル・ベーシックインカムについて徹底解説しましたが、これはあくまで一つの視点です。ユニバーサル・ベーシックインカムに関するさまざまな情報や意見を参考にして、自分自身で考えてみることが大切です。あなたは、ユニバーサル・ベーシックインカムに賛成ですか?反対ですか?それとも中立ですか?

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